島根県浜田市出身の日本画家・石本正画伯(1920-2015)の功績を顕彰し、未来への希望に満ちた学生たちの創作活動を奨励するために開催してきた「石本正日本画大賞展」。全国の日本画専攻を有する美術大学に、優秀な学生作品の推薦を依頼し、今年は28校よりご出品いただきました。
そして9月1日(金)、全79作品の中から大賞1点、準大賞2点、特別賞2点、奨励賞5点を決める審査会が行われました。
審査員の土屋禮一先生、奥村美佳先生、西久松吉雄館長(石正美術館)による厳正な審査の結果選ばれた受賞作品を発表します。受賞者の皆さま、おめでとうございます!
※審査を予定していた中野嘉之先生は、都合により奥村美佳先生(創画会会員、京都市立芸術大学准教授)に変更となりました。
【 大賞 】
《回廊》 田畑 奈那子 たばた ななこ
【作品コメント】
回って繰り返す、巡ってまた戻る。メッキが剥げて錆びた屋根から夏の空が降ってきて、道のあちらこちらに飛び散った。
【受賞者のことば】
素直に夏の空を思って表現できた絵でした。
制作では後戻りできない一手一手を入れていく難しさを感じながらも、はやるようなわくわくする気持ちで取り組めました。
受賞のご連絡を頂き、本当に嬉しかったです。
いつもご指導して頂いている先生方にも感謝しております。今後も真摯に作品に向き合い精進して参ります。
【 準大賞 】
第一席
《あの時》宮地 ひなの みやち ひなの
【受賞者のことば】
この度準大賞という名誉ある賞を頂きとても光栄です。作品を制作する時自分が今やっていることは何なのかを常に悩み制作をしています。今回の作品もひたすら悩み抜いた末の作品です。そんな作品が今回のような賞を頂けて報われた気持ちでいっぱいです。今後も変わらず制作に励みたいと思います。ありがとうございました。
第二席
《水と石》 許 新航 きょ しんこう
【受賞者のことば】
この度は準大賞を頂戴し、驚きと同時に非常に光栄に思います。制作中は、水が石の形を「借りる」ことで一定の形になり始め、普段の見方と異なるイメージに変化していく過程を見て、満ち溢れた生命力を感じ取りました。この感動を心に刻み込み、自分の絵画スキルを向上させ、磨き続けるように、より一層励んでまいります。
【 特別賞 】
日本海信用金庫 理事長賞
《描く》 福岡 めぐみ ふくおか めぐみ
【受賞者のことば】
今回の作品は新しいことへの挑戦が多く、手探り状態の中での制作となり不安もありましたが、このような賞を賜り心から感謝申し上げます。ご指導いただいた先生方や支えてくださった皆様への感謝を忘れず、今後もより自分らしく日本画と向き合えるよう精進して参ります。
浜田芸術文化のまちづくり推進協会賞
《まどろみ》福留 亜未 ふくどめ あみ
【受賞者のことば】
この度はこのような賞をいただき、大変嬉しく思っております。
今回の作品は今までとは違う新たな表現に挑戦した作品だったので、とても励みになりました。
この経験を糧に今後も精進してまいりたいと思います。ありがとうございました。
【 奨励賞 】(50音順)
《summer rains》 磯部 知宏 いそべ ともひろ
【受賞者のことば】
この度はこのような賞をいただき非常に嬉しく思います。これを励みにこれからの制作活動も精進して参りたいと思います。
作品に描いた燕子花は、美術館で《燕子花図屏風》を見た時に感動し、実物の花を見てみたいと思ったためモチーフに選びました。大学近くの植物園で栽培されていたので、通ってスケッチを重ねました。
《心弛び(こころゆるび)》 大西 佑奈 おおにし ゆうな
【受賞者のことば】
この度は奨励賞を授与していただき、たいへん光栄に思っております。お世話になっている方々、応援してくださっている方々に良い報告ができて嬉しく思います。賞をいただいた作品は、制作する中でたくさんのものが得られました。この経験を糧に、より一層精進して参ります。ありがとうございました。
《対岸に出会う》 小河 彩乃 おがわ あやの
【受賞者のことば】
この度は奨励賞をいただき、心から感謝申し上げます。エアコンがあまり効いていないアトリエで誰もいない中、暑さと闘いながら制作していた日々を思い出します。制作していく上で様々な苦悩がありますが、今回のような成果に結びついたことを忘れず、より一層制作に励みたいと思います。改めて今回は有難う御座いました。
《事務の明かり》 田原 有可里 たばる あかり
【受賞者のことば】
この度は、奨励賞を頂き光栄に思います。まさか自分が受賞をいただけるとは思っておらず、また大学に入って初めての賞なのでより一層嬉しく感じています。この受賞を糧に、制作と向き合い、更に精進していきます。貴重な経験をありがとうございました。
《つぎはぎと記憶》 冨永 拓眞 とみなが たくま
【受賞者のことば】
この度は第8回石本正日本画大賞展奨励賞を授与していただき、誠にありがとうございます。また、日頃ご教示いただいている皆様にもお礼申し上げます。今回の作品は自分にとって挑戦でもあったので、評価していただくことができ、嬉しく思います。ご期待に応えられるように精進して参りますので、今後の作品も御高覧いただけると幸いです。